デイサービスのおはなし

「行方不明者こんなにいたんだ」デイサービスで実際に経験した、認知症による危険。

こんなニュースが流れていました。

認知症の不明者の数が、昨年全国で、延べ1万7479人にのぼったとのこと。

どうも、コロです。
こんな人数になっていたんだと驚くとともに、仕事をしていても本当にヒヤヒヤすることがあるのも事実だなあと改めて思いました。今回は認知症の症状のせいで、どのようなことが起こり危険なのか記事にしてみました。

デイサービスで実際に経験した、認知症の症状による危険

どんなニュースだったのか

認知症行方不明者について

・昨年1年間警察に届け出のあった認知症の行方不明者は延べ1万7479人にのぼった。
・昨年より552人増加しており、7年連続で最多を更新している。
・昨年遺体で発見されたのは460人だった。

なぜ出ていったのだろう

もちろんその人によって違うでしょうから、一概に言えるものではありませんが、少し原因を考えてみました。
まずはじめに伝えておきたいのが、認知症=徘徊ではないということです。
認知症には多様な症状があり、進行していくにつれて様々な症状があらわれるようになります。認知症から必ず現れる症状と、様々な要因によって人それぞれに現れる症状があります。この辺は伝えるとしたらもう少ししっかり伝えられればと思いますので、別の記事にしていきますね。今回は飛ばしましょう。

帰宅願望・徘徊

まずは帰宅願望や徘徊があるかと思います。これ不思議なことに自宅にいてもあるんです。「私は用事がある」とか「どこかへ行かないと」という思いに駆られると、そのまま出てしまうんですね。そして出たはいいものの分かると思っていた道も分からず右往左往してしまいます。

不安

認知症の方はすごく不安になることがあります。例えば「子供がいなくなった、探さないと」「家の鍵を閉めたか心配だ」

ノイローゼ・抑うつ

認知症ってずっと認知症ではないんです。ひどい認知症だなって思っていた方でもしっかりとした時間っていうのがあるんです。そんな時・・・辛くなってしまうんですよね、不安になってしまうんですよね、自分の状態に。絶望してしまう、うつ状態にまでなってしまった方にも接したことがあります。

次は実際に経験した認知症からの危険だなと思ったことをまとめてみました。

デイサービスで実際に経験した認知症による危険

デイサービスの利用者は多くの方がいわゆる認知症を患っています。
様々な種類の危険があり、やっぱり利用中は気が抜けない場面が多くなります。

認知症の症状で大変だった経験はどんな症状

・帰宅願望、徘徊
・異食
・幻覚、妄想
・怒りっぽい、暴言、暴力

介護は認知症との付き合いが主になるとも言えます。他にも症状はたくさんありますが、今回ピックアップしたのは上記の4点。

帰宅願望・徘徊

こんなことがありました

・子供が泣いているから早くいってあげないといけないとどうにかして帰ろうとされる
・小さいときの気持ちに戻ったかのように、家にいるのに昔の家に戻ろうと外へ出ようとする
・外に出たはいいものの、道がわからずあてもなく歩く。
・会社に行くと言い出す

とにかく帰りたがります。客観的にみると何を言っているんだって思うかもしれませんが、それを言っている本人は本気でそう思って、訴えているわけですから。本気の人を相手にするのはやっぱり骨が折れます。

しっかり歩ける方が多いんですよね。本当に音もなくすっと出て行ってしまうんです。怖いですよ。気づいたときにはもうあたりには見当たらない・・・なんてことになったら血の気が引いてしまいます。事故にでもあおうものなら😅

対策としては、玄関に音の鳴るものを準備したりまずは気付くことですね。

異食

こんなことがありました

・ティッシュを食べようとする
・おやつの近くにあった折り紙をつかもうとしている
・うがい薬や消毒液を飲もうとする

これはびっくり。嘘みたいな話ですが、本当にあるので気を付けないといけません。毒的なものもそうですし、のどに詰める危険性もありますから。赤ちゃんでもそうですよね。電池とか乾燥剤とか。

対策としては、そういった余計なものは置かないようにしています。特に食事中は机をしっかりと片付けるようにしています。

幻覚・妄想

こんなことがありました

・殺し屋が私を狙っている
・あんたも私を殺す気やろ
・そこに誰かがいてずっと私を見ている
・私がいない間に夫が浮気をしている
・荷物が盗まれた

・・・うそみたいでしょ。これ全部実際に言われた言葉です。しかも結構本気で言ってくるので、すごい精神状態になっています。想像してみてください。実際にあなたが殺し屋に狙われていたら相当ドキドキしているでしょう。そんな精神状態になっているのです。実際この症状から、徘徊、帰宅願望につながるパターンも多いですね。

これは対策は正直、薬とか環境の変化とかしっかりとしたものしかないと思います。その場では難しい面もあるかも。

怒りっぽい、暴言、暴力

こんなことがありました

・人格が変わったかのように怒り出す
・瞬間で怒りだす
・介護に抵抗して、杖でたたいてくる
・つねったり、殴ったりする
・悪口を言う

抑えられないという表現があっている場合が多いです。特に自分でどうしようもなくなったときに感情が爆発して、分かっていても抑えられない。また、気を引くためにこのような言動に出る場合もあるみたいですね。実際に脳の機能の低下で感情を抑える力が低下してしまいます。

まとめ

こんな書き方すると認知症は大変で、えらいこっちゃってなっちゃうかもしれないのですが・・・職員という立場から見るとそこまでずっと大変というわけではありません。ただ、家族という立場になると周りで見ている以上に大変な面は多いだろうと感じています。

こういったニュースを見ると、改めて気を引き締めて仕事しないとなとは思います。不幸なことが起こらないようにね。

・デイサービス利用中にも行方不明の恐れだってある
・認知症を知ることで防げることもたくさんある

ABOUT ME
コロ
1985年生まれ。ひょんなことから「介護」というものに関わるようになり、その大変さと同時に魅力にもはまっていきました。意を決して、独立に関わり現在デイサービスの管理者をしながら、介護の情報や自身の好きなモノを発信しています。 >>詳しくはこちら<<