デイサービスのおはなし

「後悔と葛藤」介護現場は後悔の連続でもある。でも今日はちょっと救われた。

介護現場は医療現場ほどではありませんが、命や生活と向き合い日々戦っています。
そんな中でやっぱり後悔すること、葛藤することの連続なんですが、それでもその戦いをやめるわけにはいきません。

どうも、コロです。
今回はそんな中でちょっと救われたことがありました。

後悔や葛藤を続けて・・・ちょっとは前に進めたかな。今日はちょっと救われた話。

何度も打ちのめされた

デイサービス利用中は利用者さんの状態変化ってよくあるんです。

風邪症状が見られる。熱が出る。くらいならまだいいのですが

転倒して骨折・・・とか
脳や心臓など急変により意識不明・・・
などけっこう怖いことも起こりうることなんです。

かといってそんなに頻繁に起こるわけではないので、中々「慣れる」ということもありません。

自分がうまく対応できなければ、その人の命に直接かかわってしまう怖さはいつもありました。
そして実際何度も打ちのめされたこともありました。

ある人の話

90を過ぎたおばあちゃんの話。
もともとゆっくりとしゃべり、動きもゆっくりな穏やかな方。
ある日、自宅で転倒をされたと連絡がありました。頭は打っていたようです。変わりはないので大丈夫だと思いますとのこと。

実際デイサービスに来てみると、まあそれほど変わりはありません。大丈夫かなって程度。

でも何かちょっと様子が違うなあと実感はしていました。何かあきらかに・・・というわけではなく、なんとなくというくらい。でも勘といえば言葉があっているかわかりませんが、なんか変だなって思っていたんです。

打ったのは頭ってことだったんで、家族の方には病院について声かけはしていました。
でもそんなに状態も変わらないし大丈夫だと思うと動いてはもらえず。まあ大丈夫なのかなって私もそのまま様子観察を続けるだけ。

しばらくするとその方は入院となり、亡くなってしまいました。じんわりと脳出血をしていたようです。直接この転倒が原因かは不明です。でも私には大きな後悔が残りました。変だなって思っていたんです。何でももっと動かなかったんだろうなと。

それ以降同じ後悔はしたくなくて、頭を打った時には独りよがりにはならないように気をつけながらもう一歩勇気を出すように心がけています。

命にはかかわらないかもしれないけど

前例のように命にはかかわらないものであっても、もうちょっとこうしていればってこと、あるんです。その都度、次はこういったときはこうしないと、の繰り返しで成長していくんだと思いますが、やっぱり上手くいかないことはつらい。

今日はちょっと救われた

あれっ、利用者さんの様子がちょっと違う。
身体が左に傾き、うまく歩けない。もしかして・・・不安がよぎる。

看護師とともに状態を確認していくと、ぱっと覚醒したかのように状態が改善した。
呂律も回っているし、反応も良好。手もしっかり握るししびれや動かしにくさもない・・・
急性ではないかもしれないが・・・一過性のものの可能性もあるし・・・とどこか不安でした。

ちょうど帰宅前だったので、送迎の時には家族に歩行の感じを見てもらって、この状態続くようだったら受診を検討してくださいと依頼してきました。ケアマネさんにも連絡をして経過を報告、申し訳なかったのですが漠然とした不安も合わせて伝えました。

いつも本当に多いんですが、こちらが訴えても中々受診だったり、対応してくださらない方結構いるんです。
その都度悔しい思いをしてきましたが、今回は家族の方から連絡してきてくれて「デイの方が言ってたように何だか力が入らない感じや。どうしたらいい。」とケアマネさんに連絡が。よし!連携しててよかった。

そしてちゃんと受診してくれました。
結果は軽度の脳梗塞で、状態は悪くないけど入院して治療しようという風になりました。

達成感というとおかしいかもしれませんが、うまく対応できた。ちゃんと進むことができたことに今までやってきたことが報われたような気がして、救われた気持ちになったのでした。

まとめ

これからも、きっとたくさんのことがあるだろう。
立ち直れないようなこともあるかもしれない。
でもちゃんと進み続けたいと思う。

その先にきっと救われる人がいると思うから。

ABOUT ME
コロ
1985年生まれ。ひょんなことから「介護」というものに関わるようになり、その大変さと同時に魅力にもはまっていきました。意を決して、独立に関わり現在デイサービスの管理者をしながら、介護の情報や自身の好きなモノを発信しています。 >>詳しくはこちら<<